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チームの浮き沈み

臼井 淳一


 10年前にAチームとBチームの審判をやりました。どちらも力は拮抗しておりました。ノーエラー、無四球試合も多く、また、内・外野でのファインプレーも多く、簡単には盗塁もお互いに許しませんでした。僅差の勝負が多く、心地良い緊張の中で審判をやらせていただきました。

 この時のAチーム、Bチームとも平均年齢は35歳ぐらいでした。チームとしては脂が乗り切った最高の状態でした。

 あれから10年、Bチームのメンバーはまったく変わりません。あれほど試合を行なったAチームとはやらなくなりました。正確には相手にされなくなりました。選手の補強はしましたが、肝心のバッテリーが変わっておりません。内・外野の守備も足がついていけなくなりました。

 こうなってきますと実力的に弱いチームにも、エラーをきっかけに足でかき回され、簡単に点を与えてしまいます。

 攻撃も線香花火のようになり、なかなか得点につながらない野球になってしまいます。やはり平均年齢が45歳をすぎますと、「昔の名前」は通用しなくなります。

 対するAチームの方は平均年齢35歳とまではいきませんが、バッテリーは完全に若返り、点差が開いた試合以外には「古株選手」は出てきません。また、監督が「専従」になったことです。やはり草野球でも強さを維持するのには監督はプレーをしないで、監督に徹することではないでしょうか。

 それに何といってもAチームは負けることが嫌いなチームでした。勝つためにベテランと若手が一緒になりチーム作りをした結果だと思います。

 さて、皆様、Aチーム、Bチームの正確なチームはと「想像」すると思います。実は私がでっちあげた架空のチームなのです。審判を行なう中でチームの浮き沈みをいろいろ見てきたチーム合体させた話なのです。

 同じチームと10年も付き合いますと、良いところ、悪いところが見えてきます。監督の性格までチームに浸透して、個性が失われているチームもあります。それが顕著に現われるのが「負け試合」です。

 個性の失われているチームは「負け試合」を受け入れるのが「へた」です。監督の話しを一方的に聞き、なんとなく「解散」しています。

 やはり車座になり、各自の意見を述べ合いながら、2時間も「負け試合」のミーティングをしているチームは成長しております。

 私の知っているチームでアップに2時間、ゲームは1時間半、その後の体の手入れと反省会で2時間。せめてゲームの前後にこのチームの半分はやって欲しいと思います。

 チームの成長は3年先のことを考えながら、新鮮な血をチームに補給することだと思います。そうやりくりしながら10年経ちますと、現在Cクラスならば、限りなくAクラスに近いBクラスのチームに成長すると思います。

 チームの浮き沈みは、永いスタンスで歩むことが大事だと思います。

(2005年11月15日)



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